美術学部絵画科油画技法材料研究室
21.04.13
美術学部絵画科油画技法材料研究室(担当教員:齋藤芽生)
美術学部絵画科油画技法材料研究室では、アジアにおける絵画のための染色素材の 調査研究と、技法・材料に関する普及教育活 動を一貫したテーマとし、これまでカンボジア 王立芸術大学(2017年度)、ベトナム美術大 学(2018年度)、ホーチミン市美術大学(2018 年度)への3回の派遣プログラムと、連携大 学から教員と学生を招聘する受け入れ研修プログラムに継続的に取り組んできました。 2017年度に実施したカンボジア王立芸 術大学への派遣プログラムでは、シェムリアップにある「小さな美術スクール」とプノンペンにあるカンボジア王立芸術大学の2箇所でワークショップを開催しました。小さな美術スクールは日本で美術の教員を務めていた笠原知子氏が設立した子供向けの美術 学校です。油画技法材料研究室の派遣メンバーは、美術教育に関心を持つカンボジ ア王立芸術大学の若手教員とともに、小さな 美術スクールの子供たちに向けて、カンボジ アの土や卵の殻など、身近な場所で手に入れることができる素材から絵画の染料を制作するワークショップを行いました。また、その後プノンペンに移動し、カンボジア王立芸術 大学では絵画のフレーム作りに関するワークショップを行い、絵画を通じた美術教育や素材研究に関する意見交換をしました。 2018年度には、ベトナムのハノイとホーチ ミンの2都市に渡航し、ホーチミン市美術大 学とベトナム美術大学でワークショップを開催しました。ホーチミン市美術大学では絹絵に関するワークショップを行いました。ワークショップはベトナムと日本の絹絵技法を比較することを目的としたもので、日本画の岩絵具を用いてベトナムの絹絵を作成するという内容です。ハノイにあるベトナム美術大学では、油画技法材料研究室の取り組みを紹介する講義を行い、ベトナム特有の絵画技法 に関する意見交換と調査研究を行いました。 2017年度から2019年度にかけて継続的に実施してきた受け入れ研修プログラムでは、美術学部工芸科漆芸、彫刻科とともに、連携大学からの参加者に向けて、日本の美術教育に関するプログラムの企画・実施に取り組みました。絵画科では日本の装飾芸術に関するフィールドワークのワークショップをはじめ、学生とともに展覧会の見学ツアー を行うなど、日本の絵画教育や技法・材料に 関する知識の共有を目的とした多様なプログラムを開催しました。