美術学部先端芸術表現科

21.04.15

美術学部先端芸術表現科(担当教員:長谷部浩)

美術学部先端芸術表現科(担当教員:長谷部浩)

美術学部先端芸術表現科は2016年度から2017年度にかけて、ラオス国立美術学校との交流プログラムに取り組みました。交流プログラムは数回に渡る派遣・招聘を組み合わせながら、「Umbrella Project アンブレラ・プロジェクト」という「傘」をテーマにした共同プロジェクトを行いました。
「Umbrella Projectアンブレラ・プロジェクト」は、村上春樹の紀行文を集めた書籍である『ラオスにいったい何があるというんですか?』のなかの一節をアイデアのきっかけとした、「ルアンパバンで美しい傘を制作し、その傘を持って街の彩りを変える」ためのプロジェクトです。
 


僧侶の多くは強い日差しを避けるために傘をさしているのだが、傘は残念ながらごく普通の黒いこうもり雨傘であることが多い。僕は思うのだけれど──たとえばどこかのNPOなり海外援助部門なりが僧衣に合わせてオレンジ色の素敵な傘を、あるいは帯に合わせて黄色の傘を、彼らのために作ってあげるべきではないのだろうか。
『ラオスにいったい何があるというんですか?』より

先端芸術表現科のプロジェクト・メンバーは2016年度から2017年度にかけての数回にわたってラオス国立美術学校を訪れ、同大学のプロジェクトメンバーとともに、まずはラオスの仏教文化を知るため、リサーチを重ねました。また、ラオスでのリサーチに加えて、同美術学校のプロジェクトメンバーを日本に招聘し、日本の仏教に関するリサーチと、東京芸術大学でのワークショップ、日本のアートプロジェクトの実践方法を学ぶ研修プログラムに取り組みました。
 「UmbrellaProjectアンブレラ・プロジェクト」は、ルアンパバンの美術学校を会場とした傘を制作するワークショップから始まり、その参加者とともに、実際に傘を差しながらルアンパバンの街中を行進するパフォーマンスとして実施されました。そして、その一連のプロジェクトの記録は、ラオス国立美術学校のギャラリーで、展覧会として発表しました。